シロアリ対策を検討している方にとって、費用の目安はとても気になるポイント。
特に一戸建ての場合、駆除費用や予防費用がどれくらいになるのかを正しく把握することが重要です。
シロアリは気づかないうちに建物内部に侵入し、木材を蝕んでいくため、被害が進行する前に適切な対策を講じることが求められます。
また、シロアリの種類や地域、業者によっても費用にばらつきがあるため、自分の家に最適な対策方法を選ぶには、基本的な知識と相場の把握が欠かせません。
本記事では、費用の相場や注意点、予防方法に加えて、施工事例や業者選びのポイントまでを詳しく解説し、読者の皆さんが安心して対策を進められるようサポートします。
記事のポイント4つ
- 30坪一戸建てのシロアリ駆除費用は10万〜30万円程度
- 床下構造や築年数によって金額は変動
- 予防対策は定期的な点検と施工で費用対効果が高まる
- 業者選びと見積もり比較がコスト削減のカギ
30坪のシロアリ駆除費用と注意点を徹底解説

一戸建てのシロアリ駆除にかかる価格とは?
シロアリ駆除の費用は、建物の構造や被害状況、施工範囲、そして使用する薬剤の種類や施工方法によっても大きく異なります。
一般的に30坪の木造一戸建ての場合、10万円から30万円前後が相場とされていますが、これはあくまで目安であり、具体的な金額は個別の状況に応じて上下します。
特に被害が見えない部分まで広がっていたり、構造が複雑で作業しにくい場合は、追加費用が発生することもあります。
通常は薬剤散布による処理(バリア工法やベイト工法)が採用され、バリア工法は比較的費用を抑えられる一方、ベイト工法は長期管理を伴うためやや高額になる傾向があります。被害が広範囲に及ぶと、作業の難易度や人員数も増えるため、駆除の難易度が上がり、その分費用も高くなるという点には注意が必要です。
また、ベタ基礎か布基礎かといった床下構造の違いによってもコストに差が出ます。
ベタ基礎は構造的にシロアリの侵入を物理的に防ぎやすく、施工面でも安定しているため、駆除や予防の作業効率が高く、結果的に費用が安くなる傾向があります。一方で、布基礎の場合はシロアリが侵入しやすく、点検や処理範囲も広がることから、費用がかさむことが多いです。
シロアリ駆除にかかる費用は平均していくら?
全国的な平均費用としては、坪単価5,000円〜7,000円が最も一般的とされています。
つまり、30坪であれば15万円〜21万円程度が平均価格になります。ただし、これはあくまで目安であり、実際の費用は建物の築年数や立地条件、施工時期などによっても前後することがあります。
さらに、地域によって人件費や施工コストに差があるため、都市部と地方では費用感が異なるケースも見られます。また、築年数の古い住宅やリフォームを経た建物では、構造が複雑だったり、床下へのアクセスが困難な場合があり、そのような状況では追加料金が発生することもあります。
費用を左右する要素は以下の通りです:
- 被害範囲(被害が広ければ処理面積が増える)
- 処理方法(ベイト工法は高め、バリア工法は安め)
- 業者の規模やブランド
- 建物の構造と床下の状態
- 保証期間やアフターサービスの有無
見積もりは複数社から取り、内容をしっかり比較することが大切です。特に見積書には施工範囲や使用薬剤、保証の内容が明記されているか確認しましょう。費用だけでなく、サービスの質や対応の丁寧さも重視することが、後悔しない選択につながります。
一軒家でのシロアリ対策費用の実態とは

シロアリ対策には「駆除」と「予防」の2種類があります。駆除はすでに被害が発生してから行う緊急的な対応ですが、予防は被害を未然に防ぐための措置であり、長期的に見れば建物の資産価値や安全性を守るために非常に重要な手段です。
予防のみを行う場合、坪単価は3,000円〜5,000円程度が相場です。つまり、30坪だと9万円〜15万円程度になります。ただし、使用される薬剤の種類や保証期間、作業内容によって価格に差が出ることもあります。
また、近年では10年保証付きのサービスを提供する業者も増えており、その分初期費用は高くなりますが、長期的に見るとメンテナンスの回数が減る、万が一の対応もスムーズといった点から、コストパフォーマンスが高いと言えます。
保証期間中に点検や再施工が無料で受けられる場合もあるため、総額ではむしろお得になるケースもあります。
さらに、予防策には以下のような方法があります:
- 定期的な床下点検(年に1回〜2回の目安)
- 土壌処理や木部処理の再施工(5年〜10年ごと)
- 湿気対策(換気口設置・除湿機・防湿シートの設置など)
これらの対策は単独でも一定の効果がありますが、複数を組み合わせて行うことで予防効果が大幅に向上します。とくに湿気対策は、シロアリが好む環境を根本的に断ち切るため、非常に有効です。
こうした予防対策をしっかり講じておくことで、数年後に高額な駆除費用を支払う事態を避けることができ、精神的な安心感にもつながります。
実際に30坪のシロアリ駆除にかかった費用を公開
筆者が体験した実例では、築20年の木造住宅(30坪)にてシロアリ被害が発生し、地元業者に依頼して約18万円の費用がかかりました。
この住宅は、築年数の経過により床下の通気性が悪くなっており、特に北側の湿気が溜まりやすい場所に被害が集中していました。業者による診断では、初期段階のシロアリ侵入が確認され、幸い構造材への深刻なダメージには至っていなかったため、駆除だけで済みました。
内容は以下の通りです:
- 床下全体の調査(約1時間)
- 薬剤散布による駆除(バリア工法)
- 施工後の写真付き報告書の提出
- アフターフォロー1年保証(年1回点検付き)
複数社に見積もりを依頼したところ、最も高い業者は28万円、最も安い業者は15万円でした。
業者によっては「保証期間が5年と長い」や「施工後の定期点検が追加料金」といった違いがありました。価格の差はサービス内容と使用薬剤の違いによるもので、特に高価な薬剤を使う業者は、耐久性や人体への安全性を強調していました。
参考:実際の明細を比較すると、施工範囲、使用する機材の有無、保証期間の長短とその内容(無料点検の有無など)が価格に大きく影響していました。総じて、単に金額だけでなく「どこまでやってくれるのか」を確認することが重要だと実感しました。
シロアリ駆除費用30坪の相場と予防対策のポイント

シロアリ駆除は必要ない?その判断基準とリスク
「うちは大丈夫」と思っていても、被害が進行してからでは手遅れになるケースも少なくありません。
シロアリは静かに侵入し、知らないうちに柱や土台などの重要な構造材を食い荒らしていきます。初期段階では目に見える被害が少ないため、気づかないまま放置されてしまうことも多く、被害が深刻化してから発見されるケースが後を絶ちません。
以下のチェックポイントを参考に、少しでも異変を感じたら専門業者に点検を依頼しましょう:
- 床や柱に空洞音がする(叩くとポコポコと響く音)
- 羽アリを見かけた(特に春や梅雨の時期)
- 木くずのようなものが床に落ちている(蟻道が形成されていることも)
- 壁紙や床材が浮いている、波打っている
- 雨漏りしていないのに柱や壁が湿っている感じがする
これらに心当たりがある場合は、早急な点検が必要です。見逃すと建物全体の修繕が必要になる可能性もあり、費用を惜しんで放置することが、結果的に大きな出費につながる危険があります。定期的なセルフチェックと、専門業者による診断を組み合わせることで、早期発見・早期対応が可能となります。
シロアリ駆除費用は20坪・30坪・40坪でどう違う?
坪数によって当然ながら費用も変動します。建物が大きくなるほど、施工範囲も広がり、使用する薬剤や人員、施工にかかる時間も増加するため、それに伴って費用が上がる傾向があります。一般的な目安は以下の通りです:
- 20坪:8万円〜14万円(小規模で作業効率も良く、比較的安価に抑えやすい)
- 30坪:10万円〜25万円(戸建住宅で最も一般的な規模で、サービス内容により幅が出る)
- 40坪:15万円〜30万円(広範囲の処理が必要となり、コストはやや高め)
また、40坪になると作業時間や人件費が増えるため、割高になる傾向があります。
大きな住宅は床下の構造も複雑になりやすく、全体のチェックや薬剤の散布にも時間と手間がかかるためです。
一方で、20坪前後の小規模住宅では、定額パックプランが適用できる場合もあり、一定額で点検・駆除・保証がセットになったお得なサービスが利用できるケースがあります。
加えて、建物の構造や築年数、アクセスのしやすさによっても施工コストは上下します。狭小住宅では人が入りにくく作業が難航する一方で、平屋や高床式の家では比較的スムーズな施工が可能なため、結果としてコストも抑えられることがあります。
ダスキンのシロアリ予防費用と他社比較

大手業者であるダスキンの場合、予防プランの費用は坪単価4,500円〜6,000円程度とされています。
これは30坪の住宅で計算すると、13.5万円〜18万円の価格帯となり、決して安い金額ではありませんが、その分サービスの質や保証の手厚さが評価されています。
費用の内訳を詳しく見ると、薬剤や施工範囲だけでなく、点検報告や保証内容までが含まれているケースが多く、単なる「施工費」以上の価値を提供していることがわかります。
以下のようなサービス内容が含まれることが多いです:
- 床下の事前調査(湿気・シロアリの兆候の有無を確認)
- 土壌処理+木部処理(薬剤散布や注入)
- 報告書の発行と写真付き施工記録
- 保証(最長5年間・無料点検付きの場合も)
また、オプションで床下換気扇や調湿剤の設置をすすめられることもありますが、これらは追加費用がかかるため、必要性を見極めることが大切です。
他社と比較した場合、確かに基本価格は若干高めに設定されている傾向がありますが、大手ならではの信頼性とアフターサポート、およびスタッフ対応の丁寧さが評価されており、初めて依頼する方や、高齢の家族がいる家庭では安心材料となる要素です。
農協でのシロアリ駆除料金は本当に安い?
JA(農協)でもシロアリ駆除サービスを提供しており、比較的安価な価格設定が特徴です。
30坪で10万円前後の見積もりが出ることもあります。これは全国的な相場と比べてもリーズナブルな部類に入り、特に農村部や地方においては人気のある選択肢のひとつとなっています。
農協が窓口となることで、地域住民にとっては相談しやすく、地元密着の安心感が得られるという利点もあります。また、長年の付き合いのある工務店や施工業者と連携しているケースもあり、価格交渉やアフターサービスも融通が利く場面があります。
ただし、以下の点に注意が必要です:
- 業者の技術力は地域差がある(特に委託先によって品質がばらつく)
- サービス内容がシンプル(保証が短い、点検サービスが限定的なことも)
- 最新の薬剤や工法が使われていないケースもある
そのため、JAを通じて依頼する際も、業者の実績や口コミを確認したうえで比較検討することが重要です。
価格だけで判断するのではなく、どのような施工内容が含まれているか、保証は何年あるのか、点検や再施工のサポートが受けられるのかなど、複数の観点から総合的に評価する姿勢が求められます。
シロアリ予防にかかる費用の目安は10年でいくら?

シロアリ予防は1回限りではなく、5年〜10年ごとの再施工が一般的です。
これは薬剤の効果が時間とともに薄れていくためであり、長期的な安心を得るには継続的な対策が不可欠です。
1回あたり30坪で15万円前後かかると仮定すると、10年間で30万円前後の費用が見込まれますが、被害が発生した場合の修繕費用(数十万円〜数百万円)を考慮すれば、予防費用は決して高くありません。
さらに、予防施工を定期的に行っている家屋は、資産価値の評価においても有利になることがあります。
不動産売却時に「シロアリ対策済・保証継続中」であることがアピール材料となり、買い手の安心感にもつながります。住宅ローン審査や火災保険加入の際にもプラス評価されるケースがあるため、金銭面だけでなく将来的な資産運用という点でもメリットがあります。
長期的に見ると、以下のようなメリットがあります:
- 再発防止による修繕費の削減(結果的に経済的)
- 資産価値の維持・向上(売却時に有利)
- 快適な住環境の保持(精神的安心感)
- 建物の寿命延長(構造材の劣化防止)
費用を抑えたい場合は、保証期間の長いプランやキャンペーンを活用するとよいでしょう。
中には複数年契約で割引されるパックプランや、リピーター割引がある業者もあるため、事前に複数社からの見積もりを比較することが大切です。
また、市町村によっては住宅維持やシロアリ防除に関する補助金制度を設けているところもあるので、地域の情報も積極的にチェックしておくと良いでしょう。
築年数・床下構造別!費用が変わるケースを解説

築年数や床下構造によって、シロアリ対策にかかる費用は大きく変動します。
建物の状態や構造によって施工のしやすさや手間、使用する薬剤の量が異なるためです。以下のように、住宅のタイプごとに異なるポイントを確認しておきましょう。
- 築30年以上:長年の湿気やシロアリの潜在的被害により、床下が劣化していることが多く、施工が困難になるケースがあります。基礎部分にヒビが入っていたり、土壌が不安定になっていることもあり、通常より多くの補修作業が必要となるため、費用が高くなる傾向があります。
- 高床式:地面からの距離があり、点検口も広く、作業がしやすいのが特徴です。そのため作業時間が短く済み、コストも抑えやすいです。床下の換気も良く、湿気がこもりにくいため、予防の頻度も少なく済む場合があります。
- 狭小住宅:都市部に多く見られる狭小住宅では、床下のスペースが極端に狭く、作業員が入り込むのに時間がかかります。また、機材が使いにくく、作業効率が落ちるため、追加費用がかかることがあります。場合によっては専用の小型機材を使う必要も出てきます。
このように、築年数が古い、床下が狭い、通気性が悪いといった物件では、標準価格では収まらないケースも多くあります。まずは専門業者による点検を受け、費用に見合った適切な対応を検討することが、後悔しない第一歩となります。
【体験談】30坪一戸建てでシロアリ駆除した結果
筆者の実家でも、築25年を迎えた木造一戸建て住宅にてシロアリ被害が確認され、18.5万円の費用で駆除を実施しました。
数年前から床下の湿気や風通しの悪さが気になっており、ちょうど住宅メンテナンスの一環として点検をお願いしたところ、シロアリの痕跡が見つかりました。幸いにも初期段階だったため、木材の腐食など大きな被害は免れましたが、業者の判断で早期の処置が必要とされました。
複数社に見積もりをとった結果、料金だけでなく対応の丁寧さや保証内容を重視し、信頼できる地域密着型の業者に依頼することにしました。調査当日は1時間ほどかけて床下全体をくまなく確認してもらい、状況を写真付きで説明してくれたため、安心して依頼できました。
実施した内容:
- 床下全体のチェックと湿度測定
- 木部および土壌への薬剤処理(バリア工法)
- 施工前後の写真記録の提供
- 保証期間3年(年1回の点検付き)
施工時間は約半日ほどで完了し、作業も非常に丁寧でした。施工後は羽アリの発生が完全になくなり、床下の通気性も改善され、安心して暮らせるようになりました。
施工後1年が経過した現在も、異常は見られず、業者から定期点検の案内も届いています。費用に対して最初は不安もありましたが、実際にやってみて「もっと早く対応していれば良かった」と感じるほどの安心感が得られた体験でした。
【独自調査】シロアリ駆除費用はここまで違う?

独自に調べたところ、業者や施工内容によって30坪の駆除費用には10万円以上の差が出ることが分かりました。
実際に同じ地域・同じ建物条件で複数社に見積もりを依頼した際、最安値で約15万円、高額なところでは30万円以上というケースもありました。
このように価格差が生じる背景には、業者の立地や規模、使用する薬剤のグレード、保証の有無、施工後のアフターフォロー体制など、多くの要素が絡んでいます。
大手業者ではブランド信頼性や全国対応、保証の長さといった安心感がある反面、人件費や宣伝コストが価格に反映される傾向があります。一方で地元の中小業者は価格面で優位に立つことが多く、地域に根ざした柔軟な対応が魅力ですが、保証内容が限定的であることもあります。
費用の差が出る要因:
- 地元業者と大手業者の人件費差(交通費・対応スピードなども含む)
- 薬剤の種類と効果(持続性・人体や環境への影響)
- 施工内容の違い(保証や点検サービスの有無、使用機器の差)
- アフターフォロー体制の有無(定期点検・緊急対応・再施工)
「安かろう悪かろう」ではなく、内容に見合った価格かを見極めることが重要です。
単に初期費用が安いという理由だけで選ぶと、保証がなく再発時に高額な追加費用がかかる可能性もあります。施工の品質・保証・アフターケアを総合的に評価し、自宅に最適なサービスを選ぶことが、満足度の高いシロアリ対策への近道です。
シロアリ駆除費用30坪で失敗しないための業者選び
- 相見積もりは3社以上がおすすめ
- 最低でも3社に見積もりを依頼し、それぞれの価格や内容を比較しましょう。極端に安い見積もりには注意が必要で、作業内容が不十分であったり、保証がついていないケースもあります。
- 施工内容・薬剤・保証内容をしっかり比較
- 使用する薬剤の種類(効果や安全性)や処理方法(バリア工法・ベイト工法)、保証の期間や範囲なども見比べるポイントです。施工前後の説明が丁寧な業者は信頼度が高い傾向にあります。
- アフターフォローの有無も確認
- 駆除後の定期点検や再施工対応、緊急時の連絡体制など、施工後のサポート体制が整っているかどうかも重要な判断材料です。長期的に見て安心できるかを確認しましょう。
- 口コミや評判も調べて信頼性をチェック
- ネット上のレビューだけでなく、自治体や住宅関連サイトなどの客観的な評価も参考にしましょう。地域密着型の業者でも、実績や対応力が高いところは多く存在します。
費用だけでなく、長期的な視点での安心感を重視した業者選びが、後悔しないシロアリ対策につながります。安さだけで判断せず、全体のバランスと信頼性をしっかり見極めることが大切です。